2025年1月12日、エリアマーケティング研究会のパン・洋菓子部会のメンバーで江東区にあるシャンティーさんのお菓子教室に
参加してまいりました。シャンティーさんは、グルテンフリーにこだわったお菓子屋さんです。今回は、人気の米粉シフォンケー
キと米粉パンを2チームに分かれて体験してきました。シャンティーさんのお店の開店から、経営者としての奮闘ぶり、そして実
際に体験したお菓子教室の様子まで、たっぷりとご紹介いたします。

chantillyシャンティー
■店舗開店までの歩み
シャンティーの松本オーナーは、製菓専門学校で本格的な製菓技術を学び、学校を通じてパリでの研修も経験されました。2023年
夏ごろからは、シェアキッチンを活用したポップアップ出店で試行錯誤を重ねながら、創業に向けて準備を進められました。各種
補助金(持続化補助金、江東区の補助金など)や制度融資を利用し、2024年4月3日に念願のお店をオープンされました。店舗は
シェアキッチン時代に出会った一級建築士や内装業者の方々の協力で、古民家をリノベーションして実現しました。
■素材と製法への徹底したこだわり
シャンティーさんは、素材選びにもこだわっています。米粉は、熊本の銘柄米を使用し、ロールケーキ用とパン用で米粉を使い分
けています。卵も本州最北端にある青森県蓬田村の厳選した卵を使用して手間暇かけた製法で丁寧にお菓子を作られています。
一方、米粉をはじめ、フルーツや生クリームなどの材料価格が高騰しており、一部商品は値上げに踏み切るなど試行錯誤しながら
柔軟に対応されています。
■店舗運営と生産現場のリアル
シャンティーさんの営業時間は、11時~18時(土日は11時~17時)ですが、その裏では夜の21時まで生地を焼き、翌朝7時に仕
上げ作業を行うというハードなスケジュールとなっています。お休みもありますが、翌日営業するためには前日に仕込みや新商品
の研究も必要なため、ケーキやパン作りはほぼ毎日行っているそうです。地域のお客様からの注文はもちろん、企業や工場向けの
大口注文(20~30個単位)や、誕生日ケーキのオーダーもあり、効率的に生産するノウハウを少しずつ身に着けていかれたとの
ことです。
■お菓子教室で感じた魅力
今回のお菓子教室では、松本オーナーが実際にお手本として手を動かしながら、グルテンフリーならではの米粉のお菓子作りの魅
力を丁寧に伝えてくださいました。参加者は、オーナーの経営に関するお話を聞きながらも、実際に米粉シフォンケーキや米粉パ
ンの作り方を体験し、最後にはみんなで食しながら自分たちで作ったお菓子の美味しさに感激しました。松本オーナーの人柄や経
営方針、そして何よりも実際に経験することでお菓子の魅力を強く感じることができました。
■地域と未来への展望
シャンティーさんは、Instagramを中心に集客を行い、今では地元の常連さんはもちろん、グルテンフリーケーキを求めて遠方
から訪れるお客様も増加中です。チラシ配布から始まった当初の取り組みが、口コミやSNSを通じて広がり、地域との深い繋が
りを実現しています。また、今後はお菓子教室をさらに増やしていければとのことです。松本オーナーは「これからもお客様の
ために精一杯続けていきたい」というシンプルかつ情熱的な経営方針を貫いておられ、私たちもその成長と今後の展開に大いに
期待しております。
■参加者の声から感じるシャンティーさんの魅力
「グルテンアレルギーをお持ちのオーナーが手掛けるお菓子は非常に希少で、研究熱心な姿勢と経営の柔軟さに感動しました。」
「シェアキッチン時代の経験が活かされ、仕入れの工夫や大口注文への対応など興味深いお話が聞け、実際の店舗運営のリアル
を感じることができました。」
エリアマーケティング研究会
パン・洋菓子部会リーダー 石原 学