第4回|選ばれる理由は「強み」ではなく「違い」

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― 自社の価値を言語化する ―

「うちの強みは、長年の実績と丁寧な対応です」
多くの葬儀社が、そう語ります。しかし同時に、それが選ばれる決定打になっていないことにも薄々気づいているのではないでしょうか。

マーケティングの現場でよくあるのが、「強みを打ち出そうとして、どの会社も同じことを言ってしまう」状態です。
実績豊富、地域密着、安心価格、心を込めた対応。これらは決して間違いではありませんが、それだけでは“違い”として伝わりにくいのが現実です。

ここで一度、考え方を切り替えてみてください。
重要なのは、「自社の強みは何か」ではなく、
「他社と比べて、どこがどう違うのか」です。

例えば、
・最初の電話対応で、どこまで不安を汲み取っているか
・見積もり説明の仕方は、安心感重視か、効率重視か
・施行後のフォローは、どこまで関わっているか
こうした“当たり前にやっていること”の中に、実は他社との違いが隠れています。

特に葬儀は、価格やプランだけで選ばれるものではありません。
「この人たちなら任せられる」「話をきちんと聞いてくれそうだ」
そう感じてもらえるかどうかが、最終的な決め手になります。
つまり、感情面の価値や安心感こそが、葬儀社の大きな差別化要素なのです。

では、その価値をどう言語化すればよいのでしょうか。
ポイントは、「自社目線」ではなく「遺族目線」に立つことです。

例えば、
「24時間365日対応」ではなく
「深夜の電話でも、落ち着いて話を聞いてもらえた」
「明朗会計」ではなく
「最初に聞いた説明と、請求額がほとんど変わらなかった」
というように、体験として表現することで、伝わり方は大きく変わります。

ここで簡単な整理方法を紹介します。
① 最近の施行で、遺族から言われた印象的な言葉を書き出す
② なぜそう感じてもらえたのかを振り返る
③ それは、他社でも同じようにできることか考える

この作業を通じて見えてくるのが、自社ならではの「違い」です。

強みを無理に作る必要はありません。
すでにやっていることを、正しく言葉にすること
それが、選ばれる理由をつくる第一歩です。

次回は、この「違い」を、ホームページやチラシにどう落とし込むか。
自社の価値を“伝わる形”に変える視点について解説していきます。

葬祭業専門コンサルタント 中小企業診断士
株式会社エンディング総研 代表 小泉悟志