《未経験者のパン屋開業に向けて①》

あけましておめでとうございます。

いよいよ2025年の到来です!ベースターズファンではありませんが、今年は筒香選手(ツ・ー・ツ・ゴ)の年になりそうですね。ホークススファンですが、個人的に筒香選手は大好きです!ガンバレッ!

さて、皆さん、2024年はどのような一年だったでしょうか?
私の住む街ではパン屋さんの開業ラッシュな一年でした。もともと私の住む街(駅半径500m)には、6店舗のパン屋さんがあり、なかなかの激戦区ではあったものの、新たに3店舗が開業しました。各店舗、既存店との差別化を図りつつ、それぞれ特徴を打ち出し、しのぎを削っています。具体的には、A店は“特殊な製法によるもちもちパン”を、B店は“小麦の素材を生かした素朴系パン”を、C店は“甘くて美味しいメロンパン”を売りにしているようです。

「一年の計は元旦にあり」ということで、診断士である私もいつかはパン屋さんを開業したいと考える一人ですので、新年を迎えたことを機に「未経験者のパン屋開業」について考えてみました。まずは、一度使ってみたかったChatGPTに「未経験者のパン屋開業」について聞いてみました。以下はChatGPT(無料版)の回答を要約したものです。
 「未経験者がパン屋さんを開業するために必要なことは何?」
  ①基礎知識の修得:パン作りの基礎技術を学ぶ。
  ②ビジネスプランの策定:どのような顧客層をターゲットにするか、市場の需要を調査。
  ③実務的な準備:店舗を開く場所やメニューを考える。
  ④法的手続きと認可:食品衛生法に基づく営業許可、事業開始にあたっての開業手続き。
  ⑤マーケティングと集客:お店の認知度を高める。地域密着型のマーケティングが効果的。
  ⑥実際の運営:商品、サービスの向上。

初めてChatGPTを使ってみましたが、それらしい内容ですね。今回は、「①基礎知識の修得」に焦点を当て、もう少し詳しく診断士目線?で考えてみることにします。

“焼けたパンを仕入れて、販売するパン屋さん”というビジネスモデル(パン屋さん(製造小売業)というか、もはや小売店(仕入小売業))でない限り、「パン作りの基礎的な技術と知識を身につける」ことはパン屋さん開業の必須条件で異論はないかと思います。では、パン作りの基礎技術はどのように身につけることができるのでしょうか?いろいろ調べてみたところ、パン作りの基礎技術を学ぶ方法は大きく次の3つに分類できるかと考えています。
 ①パン屋さんで実施経験を積む
 ②製パン専門学校やパン教室に通う
 ③独学

まず、「①パン屋さんで実施経験を積む」についてです。これは、日本の伝統芸能や職人の世界によくある「技は盗むもの」という考えからきているもので、昔ながらの方法です。いわゆるOJT(On the Job Training)ですね。実際にパン屋さんで働くことで、パン作りの現場を体験し、プロの技術や作業の流れを学びながら、実務的なスキルを修得できます。また、パン作りだけでなく、販売や接客など運営に関する知識も学ぶことができます。ただ、「技を見て盗む」ことは短期間で行うことが難しく、比較的長期間を要することになります。良い師に出会えるか、その師に技術伝承への意欲があるかなども大切な要素となってきます。

次に、「②製パン専門学校やパン教室に通う」についてです。これは、パン作りの知識や技術を売っているところ(専門学校等)から、その知識や技術を買うということです。コースによっては、パン作りの基礎技術だけでなく、衛生管理や経営についても学べるものがあります。実際の店舗での実習が行われることも多いようです。期間は1~2年間通うものがベースとなり、数か月や数週間、数日などのコースもあり、その費用も数百万から数十万とピンキリです。“5日間、10万円の超短期コース”などタイパ・コスパの面で優れたコースもあります。また、市販のパン教室では、ある特定のパンに特化したパン教室も多数あるので、まずはそこから入ってみるもの良いかもしれません。自身の必要とする知識や技術、予算などを総合的に考え、学校やコースを選択する必要があります。

最後に、「③独学」についてです。これは、一昔前では考えられなかったことですが、YouTubeや有料オンライン講座などで学ぶものです。多くの製パン家やシェフが、パン作りの基本から応用まで教えてくれる動画をインターネットに公開しています。多くのパン作りのブログやレシピサイトで、ステップバイステップで学べる情報を取得することも可能です。また、書籍(レシピ本)を使い自宅で時間をかけて試行錯誤をしながら技術を磨くこともできます。ただ、設備の制約の問題や上手くいかなかったときの原因追及などを、自分で解決していかなければならず、結果的に効率はよくないかもしれません。

このように、パン作りの基礎技術を学ぶ方法は様々です。皆さんの置かれた環境、必要とする知識・技術、予算などから、ベストな方法を見つける必要があります。一昔前よりは、確実にパン作りの基礎技術を学ぶ方法は身近になりました。その結果が、近年のパン屋開業ラッシュにも表れているのかもしれません。他方、ホームベーカリーも進化しており、将来的にはボタン一つ(パン作りの技術不要)でパン屋さんが開業できる時代が来るかもしれません。しかし、それでは他店との差別化はもちろん、各家庭との差別化もできず、長続きは難しいでしょう。美味しくなければ、リピート購入はありませんし、長期的に生き残っていくためには、他店との差別化「〇〇でしか食べられない味」が必要になるのではないでしょうか。私もいつか、私のお店でしか食べられない味(パン)を作りたいです。

エリアマーケティング研究会 パン・洋菓子部会 会員