《お客様をより具体的にイメージし、特徴あるお店作りに役立てる!》

ベーカリーの盛衰を決める要素は、①店舗立地、②商品政策、③店舗施設、④接客技術と言われています。しかし、全ての条件を満たすことは難しいですし、立地のように容易に変化させられない要素もあります。また、条件によって良し悪しの評価が分かれる場合もあります。

そこで、こうした要素を考える前に「皆様のお店にはどのようなお客様に来てほしいですか。」という点をよくイメージしていきましょう。少し専門的な用語を使えば、「ペルソナを設定する」ということです。ペルソナの設定とは、より具体的な顧客の人物像を描くということです。例えば、「30代女性、小学生が1人、幼稚園1人の子どもをもつ。健康に良いもの、薄味を好む。外食自体は少なめ。子ども中心に食を考える。」等、特定の人物が想定できるレベルで、ユーザー(=顧客)像を描きます。こうすることで、②商品政策、③店舗施設、④接客技術をどう形作っていくかもイメージしやすくなります。

例えば、前述のペルソナを前提とすれば、「激辛カレーパンをウリにして展開しよう」という「③商品政策」にはならないでしょう。このペルソナをイメージするなら「北海道の国内産小麦を使用した塩分控えめの食パンをウリしよう」のイメージの方が相性は良いといえます。また駅前のコンビニのようにスピード重視の淡々とした「④接客技術」ではなく、子どもの話を聞いてあげられるような「④接客技術」が求められるかもしれません。

「すべての方に来てほしい」-

結果的に多くのお客様にお越しいただけることは良いのですが、まずどのような方に120%、200%の満足をいただきたいのか。今一度、ペルソナ思い描いて、自店の特徴付けを考えてみるのも良いでしょう。

エリアマーケティング研究会 パン・洋菓子部会
髙山幸一